Pass the Batonとは

企業から使用済みのPCを無償で譲り受け、リユースPCとして高校生に無償提供するプロジェクトです。提供されたPCは委託提携企業の株式会社パシフィックネットにて、情報漏えいを防ぐデータ消去を実施し、クリーニングやOSの再インストールをおこなったうえで高校生のもとに届けられます。「Pass the Baton」は、メルカリの目指す循環型社会の実現にも貢献できる取り組みです。循環型社会とは、資源の廃棄を減らし、廃棄物を新たな資源として展開する循環を前提とした生産・消費活動を意味します。

プログラミング×キャリア教育で、高校生に自走力を

CLACKは、生まれ育った環境に左右されることなく、子どもたちが未来に希望を持って生きていける社会の実現を目指して活動しています。内閣府が令和元年12月におこなった、子どもの貧困に関する調査では、子どもの約7人に1人が貧困というデータが出ました。

出典:内閣府「子供の貧困対策」

生まれ育った家庭の経済的な事情は、子どもの努力だけで改善できるものではありません。成績や才能に関係なく、進学を諦めたり、希望する職業に就職できなかったりする高校生は少なくありません。そこでCLACKは彼らの将来の可能性を広げるために、PCの無償提供とプログラミング学習支援をおこなっています。プログラミングの授業料と教材費も無料、受講する教室への交通費の支給もおこなうため、完全無料でプログラミングスキルが身につきます。

プログラミング学習支援に並行してキャリア教育をおこない、習得したスキルをきちんと活かすための土台づくりもサポート。さまざまな領域で活躍する社会人や大学生を講師として招き、ワークショップを月に1〜2回開催しています。経験にもとづくキャリアの組み立て方や、奨学金や生活費といったお金に関する知識を共有し、ワーク形式で学習。また、IT企業のオフィスを訪問する職場見学もおこないます。多角的なキャリア教育で将来のイメージを具体化し、プログラミング学習が目的に直結する環境を構築します。

高校生限定の支援である理由

寄贈されたPCは、CLACKでプログラミングを学ぶ高校生に寄贈されます。経済的に困難を抱える家庭で育った高校生は、進学を諦めて社会に出るケースも多く見られます。知識やスキルが不足したまま就職すると、収入が低い職業や非正規での雇用に繋がりやすく、大人になっても貧困から抜け出せません。貧困の連鎖を食い止められる最終ラインが高校生だと判断し、高校生に限定した支援をおこなっています。

出典:内閣府「子供の貧困対策」

現在「GIGAスクール構想」が文部科学省によって推進されています。全国の児童・生徒を対象に1人1台の端末(タブレットまたはPC)を支給する取り組みです。しかし端末を家に持ち帰れなかったり、プログラミングをするには端末のスペックが低かったりといった課題があります。プログラミングの義務教育化によってIT業界に興味を持っても、プログラミングを学習できるPCがなければ将来への動線が断たれてしまうのです。

2025年の大学入学共通テストからは、プログラミング知識が必要となる「情報」が追加されることも決まっています。奨学金での進学を目指す場合も、PCがなければ勉強できません。ひとりでも多くの高校生に、人生を切り拓く力を身につけてもらうためにCLACKは活動しています。

プログラミング学習を支援する理由

プログラミングは生活環境や成績に関係なく、努力次第で身につけられるスキルです。また、IT業界は慢性的な人材不足であり、プログラミングスキルがあれば就職先の選択肢が格段に増えます。総務省が2021年7月に公表した21年版情報通信白書によると、日本のDXが進まない理由として人材不足を挙げる企業は全体の53.1%と最多。経済産業省は「2030年には最大で79万人のIT人材が不足する」と発表しています。

出典:経済産業省「IT人材需要に関する調査」

努力ではどうにもできない「生まれ持った環境」というハードルを乗り越え、生き方の多様性と可能性を広げていく子どもを増やすため、CLACKはプログラミング学習を支援しています。

CLACK代表・平井大輝のコメント

株式会社メルカリより100台のPCをご寄贈いただき、100名の高校生がプログラミング学習をおこなう機会を得ました。トップIT企業であるメルカリで使用されていたPCを、これからIT関連職を目指す高校生が譲り受ける、この循環の一翼を担える喜びを強く感じています。循環型社会の実現を目指すメルカリが「Pass the Baton」に協力してくださったことは、次に繋がる大きな一歩となると考えています。

CLACKは現在、大阪市と堺市の2拠点で、経済的に困難を抱える高校生に向けた無料のプログラミング教室を運営中です。今後は大阪府以外の高校生にもプログラミング学習の機会を届けるため、拠点の全国展開を目指しています。2024年までには都市圏以外の地方にも拠点を増やしていきたいです。そのためには年間1000名以上の高校生に、十分なスペックのPCを届ける必要があります。子どもたちへ「自分の人生を切り拓くきっかけ」を届けるために、使用済みのPCを寄贈していただけますよう、お願い申し上げます。

ご寄贈いただいたPCのデータ消去について

安心してご寄贈いただけるよう、お譲りいただいたPCは万全を期してデータ消去処理をおこないます。厳重なセキュリティ体制を構築した株式会社パシフィックネットのテクニカルセンターにて、世界でもっとも信頼と実績のあるデータ消去ソフトフェア「blancco」を使用して、データ消去を実施します。

ご寄贈は企業からのみ受付

高校生へリユースPCを提供すると同時に、SDGsを推進する企業への貢献も実現するプロジェクトであるため、個人の方からのご寄贈は受け付けておりません。またデータ消去作業の効率や送料の観点から、一社につき10台以上からのご寄贈をお願いしております。

ご寄贈いただくPCの条件

プログラミング学習に必要なスペックが揃ったPCのご寄贈をお願いしております。下記に記載した条件をご参照のうえ、ご寄贈に関するお問い合わせをいただけますと幸いです。

ノートPC WindowsまたはMacOS
・CPUがCorei3
・第6世代以上※Macの場合、2015年以降の発売モデル
・メモリが8GB以上
・SSD搭載
・Webカメラ、無線LAN内蔵